能登畠山氏関連の史跡巡り


七尾市の史跡巡り
(旧七尾市・旧中島町・旧・田鶴浜町・旧能登島町)
七尾市公式サイト:http://www.city.nanao.lg.jp/
七尾駅前 (←写真)JR七尾駅
能登半島最大の都市。能登半島の文化・経済の中心である。
石川県より能登の過疎化現象をくいとめるため、
能登の「中核都市」に指定された。
七尾駅前は再開発が終了し、大きなターミナルもできた。
≪七尾市のDATA≫
人口:53.125(2018年9月末日現在)
由来:七尾城山の七つの尾根が由来。

七尾城跡(国指定史跡)
 能登畠山氏の居城。本丸跡に松波畠山家の末裔畠山一清氏が建てた「七尾城址」と書かれた石碑と神社がある。遺構としては調度丸付近には石垣が残り、また土塁などもよく残っていて当時の面影を十分残している。本丸跡へは、城山駐車場まで塗装された車道が整備されており、麓(七尾城史資料館)から車で20分程で駐車場から整備された道を歩いて1分で見応えのある野面積みの石垣(写真A)に、さらに5分ほどで本丸跡につける。
 歩きで登城する場合は、2022(令和4)年に「七尾城登山口駐車場」(写真B)がオープンした。旧道(大手道)を通って能越自動車道高架下あたり(写真C)が、高屋敷と呼ばれる重臣の屋敷跡だったなど片道約30分程の道のりで本丸まで行ける。高架下は復元構想があるので今後の整備が楽しみである。麓の「七尾城史資料館」でパンフレットをもらって縄張りなどを確かめながら登城(登山)すると、体力的には結構きついが三の丸や二の丸・案寧寺跡なども観ることができ車道では味わえない楽しみがある。ちなみに私のお薦めは、行きは旧道を使って色々観て本丸まで、帰りは自動車道を使って帰る。このルートだと帰りの途中で喫茶店(↓)に辿りつくので、疲れたところで一休みできる。
●交通:七尾城史資料館から本丸跡まで車で20分。徒歩で30分。
●お店:七尾城山にある喫茶店のHP:「Pasta,Cafe'&Drinks J,Road」はこちら!
●参考コンテンツ:能登の城「七尾城」「バーチャル登城体験・七尾城」
写真A
七尾城石垣
↑七尾城調度丸付近の石垣
写真B
七尾城登山口駐車場
↑七尾城登山口駐車場
写真C
能越自動車道高架下・大手道・高屋敷付近
↑能越自動車道高架下・大手道・高屋敷付近
 



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七尾城史資料館(懐古館・飯田家)
 能登畠山家縁の武具などや天目茶碗などの城跡・城下町跡からの発掘品が展示や、歴代城主の肖像画の復元など、能登畠山氏について詳しい資料が見られる。動画では七尾市が作成した七尾城の復元CGしたVTRも見られる。また、古くからの民家であり江戸時代に七尾城跡を護ってきた飯田氏の居館である懐古館も同時に見学できる。七尾城史資料館では七尾関連の地方雑誌『七つ尾』などの購入できる(一般に市販はされておらず、七尾市内でしか購入できない年刊の雑誌)。現在は七尾市の所管ではあるが、元々は畠山氏の末裔が開館したためにそれほど大きい規模の資料館ではない。これらの施設は能登畠山研究の起点となる場所である。昔は懐古館では二引両のミニ旗などの畠山関連グッズの土産品も販売されていたが、現在では資料館で「缶バッチ」くらいしかお土産がなかった。さらに冬期は雪のために入館者も限られるので、12月中旬から3月中旬までは冬期閉館となっている。
●データ:入館料200円(懐古館・飯田家は別途200円)。休館日:月曜日、祝日の翌日、12月11日〜3月10日。開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
●交通:JR七尾駅からバスで天神川原下車、徒歩6分。七尾市内循環バスまりん号でディセンター城山の里下車、徒歩5分。車でJR七尾駅から約20分。
●Webhttps://www.nanaojyou.com/(公式サイトへ)
七尾城史資料館
(写真:七尾城史資料館)
のと里山里海ミュージアム(県営能登歴史公園内)
  2018(平成30)年10月28日に、718(養老2)年に能登が立国となって1300年を記念する「能登立国1300年 能登ふるさと博」の事業の一環として整備されたのが「七尾博物館」(当時仮称)で、正式に「のと里山里海ミュージアム」として開館した。世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」を未来に継承するために、情報発信するために設置された。「ミュージアム」という名前だけあって、視覚的に見やすいわかりやすい展示で、能登の歴史を体感的に理解するにはとてもよい施設である。能登畠山氏の展示もあるが、こちらは「七尾城史資料館」と展示内容がバッティングするのか情報量は少なめである。
●データ:入館料:無料。休館日:火曜日、年末年始。開館時間:9:00〜17:00
●交通:。市内循環バス「まりん号」片道9分、またはJR七尾駅から車で7分。能越自動車道「七尾城山IC」から車で5分
のと里山里海ミュージアム1
(写真ミュージアム外観)
のと里山里海ミュージアム2
(写真:ミュージアム入口)
のと里山里海ミュージアム3
(写真:ミュージアムのエントランス)
のと里山里海ミュージアム4
(写真:ミュージアムの休憩室兼学習室)
※写真はクリックすると拡大します。
能登国分寺跡(能登国分寺公園)(国指定史跡)
 能登国分寺は聖武天皇が国分寺建立の詔をだしてから100年以上もたった843年に大興寺を国分寺にあてる形で建てられた。その上、能登国分寺は度重なる、風雨や嵐によって壊され、時代とともに廃れていった。畠山義総が哀れに思い国分寺に米一石を寄進したと言うのが記録にあるが、すでにこの頃には、人の目にも触れなくなっていたらしい。周辺は水田になっていたため、1970(昭和45)年に発掘調査が行われると、南北160m東西210mという広大な史跡が確定された。そして現在では「能登国分寺公園」となっており、全国で初めての遺跡の上に復元物が建つ国分寺として整備された。国分寺の外に3棟礎石のある建物が検出されたが、これは官衙的建物であり、国分寺とは違うと言うので、古代の政治の中心となっていたと思われる。2018(平成30)年に「のと里山里海ミュージアム」がオープンしたため、公園内にあった「能登国分寺資料館」は同年閉館となった。
●交通:市内循環バス「まりん号」片道9分、またはJR七尾駅から車で7分。能越自動車道「七尾城山IC」から車で5分
●参考コンテンツ:不定期特集「能登国分寺」
能登国分寺
(写真:能登国分寺)
能登国分寺資料館1
(写真:旧「能登国分寺資料館」)

 

 

山の寺遊歩道
 この寺院群は、前田利家が小丸山城を守るために能登の諸寺を移転したものである。16箇所の寺を結ぶ遊歩道が整備され、各々の寺を見物できる。観光用の寺ではないので多少入りにくいが、見て回る価値がある。所用時間は全部で1時間+α(寺を見る時間)と言うところであろうか?長齢寺では精進料理を頂ける(要予約)。
データ:拝観料:無料(一部有料・拝観の予約要・下記参照)
●交通:七尾市循環バスまりん号「山の寺」下車

★山の寺寺院群一覧

寺院名 宗派 拝観料 備考
西念寺 浄土宗知恩院末 無料
常通寺 浄土宗知恩院末 無料
宝幢寺 浄土宗知恩院末 無料
龍門寺 曹洞宗総持寺直末 無料
徳翁寺 曹洞宗総持寺直末 無料
長齢寺 曹洞宗総持寺派宝円寺末 大人400円 精進料理(3日前に要予約)
成蓮寺 日蓮宗 無料
本延寺 日蓮宗京都本法寺末 無料
實相寺 日蓮宗京都本国寺末 無料
印勝寺 法華宗越後三条本成寺末 無料
本行寺 本門法華宗京都妙蓮寺末 無料 (拝観には要予約)
長壽寺 日蓮宗京都立本寺末 無料
恵眼寺 曹洞宗総持寺派直末 無料
妙圀寺 日蓮宗京都本圀寺末 無料
長興寺 日蓮宗京都立本寺旧寺 無料
妙観院 高野山真言宗 無料

本行寺 小崎学円住職
(写真:本行寺と小崎学円住職)
 山の寺寺院郡のひとつ本行寺。写真に写っているのは小崎学円住職。本行寺は能登畠山文化の一翼を担った「円山梅雪」が文明年間に創設した。梅雪はもともと畿内の出身で能登に京都の文化と人脈をもたらし、能登畠山文化の色を添えた人物である。特に茶道はこの梅雪が我が国の祖と言い、同寺にも梅雪由来の茶室「きく亭」がある。まさに梅雪は文化研究には欠かせない人物である。小崎学円住職は七尾の歴史及び能登畠山氏の歴史に精通したお方で、「七尾学梅雪会」を主催している。同会に入会したい方は直接本行寺まで。(山の寺にある本行寺のHP「円山梅雪」へリンク!)
人麻呂社
 七尾市中島町(旧中島町)の瀬嵐という場所に建つ人麻呂社。その名の通り奈良時代に宮中に仕えて『万葉集』や『古今和歌集』に数多くの歌を残した歌聖・柿本人麻呂を祭る神社である。時代は下り室町時代。「松下集」によると、畠山義統は『万葉集』の時代にあこがれており、七尾西湾の瀬嵐の海を明石の浦になぞらえて、柿本人麻呂廟を机島に建立し、同島で連歌を催していた。そこで1480(文明12)年、室町時代の歌人。招月庵正広を能登に招待するのに「七尾湾の机島というところに柿本人麻呂の木像があるのでこないか」と義統が誘って下向したことがことが知られている。その柿本人麻呂像があった机島の手前にある種ヶ島とその種ヶ島に面している七尾市中島町瀬嵐に、人麻呂社(三島神社)が建設された(全国に柿本人麻呂を祭る神社は結構ある)。昭和時代には同社はすっかり廃れていたが、平成になって再建された。現在では下の写真のような立派な建物がある。瀬嵐は港町であり、神社から七尾湾を眺めると、美しくも素朴な港の風景が広がる。
データ:拝観料:無料
●交通:のと鉄道・中島駅から車で20分ほど

人麻呂社1
(写真:人麻呂社を正面から)
人麻呂社2
(写真:人麻呂社から七尾湾を眺める)

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