- 「遠鉄が変る!」2005/08/18(Thu)
- 最近、遠鉄はどんどん変貌を見せている。今日はその遠鉄の変貌を紹介しよう。
<助信駅〜遠州上島駅間の高架化>
遠鉄は1985年新浜松駅〜助信駅間は高架化されているが、2010年完成予定で助信駅〜遠州上島駅間の高架化事業が始まっている。これまでに遠州曳馬駅近くまで工事用地の買収を済ませており、2005年8月現在すでに助信駅近くで高架橋数本が完成している状況である。ただし、遠州上島駅付近ではまだまだ用地買収が進んでおらず、ひょっとすると上島駅手前で高架が終了するのかもしれない。上島駅周辺では高架化に合わせて再開発計画があがって用地買収が進められているが、地元に反対者もおりなかなか計画が進展していない。
余談ではあるが、遠鉄の現在の高架部分「新浜松駅〜助信駅間」は極短い区間である。であるので、今回遠州上島駅まで高架化が実現されれば、長い距離の高架化鉄道が浜松市に走ることになり、ちょっと政令指定都市(2005年浜松市は周辺自治体と合併し、70万の人口を抱える市となり政令指定都市を目指している)に向けた近代的都市の形が整う気がする。
<ICカード「ナイスパス」>
遠鉄は、 2004年8月から ICカード「ナイスパス」を導入した。「ナイスパス」と聞いてピンと来ない方は関東で言えば「スイカ」、関西で言えば「イコカ」と言えばわかるだろうか。“タッチ&GO”でお馴染みで触れることで読み取る磁気カードのことである。遠州鉄道では、電車以外でも系列の遠鉄バスでも共通に利用でき、電車とバスのICカード共通化は全国でも初の試みであると言う。ただ、駅に設置されたタッチパネルは関東だとローカルエリアに置かれているような装置なのがちょっと頂けない。どうせなら自動改札を導入すればいいのにと思う管理人であった。
<遠鉄は浜松市内の電車となる>
遠州鉄道は、浜松市−浜北市−天竜市の3市を結ぶ鉄道であった。しかし、2005年の自治体合併で遠鉄は浜松市内の交通機関となった。それは、浜松市が浜北市、天竜市(その他とも合併している)と合併したので、遠鉄の区間は全て浜松市になってしまったのである。まあ、それでも浜松市が政令指定都市になれば、旧浜北市区域は「浜北区」になるようなので、今度は区を結ぶ鉄道になるのではあるが。合併にあわせたかどうかは定かでないが、2005年始め「新浜松駅」の新しい駅舎が完成した。ガラス部分が多く洗練されたデザインで近代的な駅舎である。また、数年前には浜北駅及びその周辺も再開発され(浜松駅駅ビルが取り壊され駅周辺には再開発ビル「なゆた浜北」がオープンした)、遠鉄沿線の様子も結構様変わりしている。
でもどうせなら、遠鉄は新浜松駅から南に延伸し「遠州中田島駅」(中田島砂丘手前までで路線は中田島バイパスを高架化で通すか、地下鉄化で通すか。)まで伸びないだろうか。駅南(浜松駅より南地域の呼称)地域も結構人口が増えているのに公共交通はバスに頼る状態なので鉄道需要はあるはずである。また、5月には見物客数20万人とも言われる「浜松まつり」が中田島砂丘で催され、毎年満員のバスが混雑した道路を行くので、鉄道にすれば輸送も簡単だ。ぜひ市が支援して実現をお願いしたい。
- 「遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道」2000/10/25(Wed)
- 遠州鉄道の新浜松(浜松市)の反対側の終点駅である西鹿島駅。この西鹿島駅(天竜市)では第3セクターの天竜浜名湖鉄道と連絡しており乗換が可能だ。この天竜浜名湖鉄道(略して「天浜線」)は赤字財政であり、少し前その打開策として「西鹿島−天竜二俣」を電化し、遠州鉄道の電車を乗り入れてもらおうとの計画があったらしい。しかし、電化したところでどの程度の効果があるか疑問で立ち消えになったらしい。『鉄道はクルマに勝てるか』(川島令三著,中央書院,1998年)においてその著者が、天浜線の赤字解消策としてディーゼル車両を新しくした上で、天浜線が遠鉄区間に乗り入れてはどうかと提案している。しかし前回のコンテンツにも書いたが、遠鉄は単線にも関わらず12分間隔という過密ダイヤで運行しており、さらに新浜松近くの駅間は非常に短いのでダイヤ的にも天浜線が乗り入れる余裕は無い。また沿線住民のディーゼル排煙の不満の声が上がるのではなかろうかと思う。
しかし、なんとかせねば天浜線の未来はない。天浜線が廃線となれば遠州鉄道も影響を被ることは必須である。であるならば、なんとか共存共栄する道を模索してほしい。まずは、遠鉄と天浜線とのかなり悪い乗り換え連絡からなんとかしてみないだろうか。
- 「地方鉄道でも頑張る」2000/09/04(Mon)
- 遠州鉄道は、営業キロ17.8km、軌間1067mm、駅数18駅で全線電化区間の地方鉄道である。地方鉄道で遠州鉄道はかなり頑張っている鉄道会社だ。というのは57万人規模の都市の地方鉄道としてはかなりの水準で利益を上げているからである(詳しくは下の表参照)。利益を上げているので、地方私鉄で珍しく独自車両を作っている。その独自車両と言うのが上記の写真の車両である。他にも数種類あるが全て赤地に白のラインの車両であるので「遠州鉄道」略して「遠鉄」は通称「あかでん」と呼ばれて親しまれている。遠鉄の最新車両には電光掲示板も付いており、まさに山の手線級の車両!また、車両の連結部分も広く渡るのも容易なので車内は開放的に感じる。路線の駅には収益アップのため無人駅が多く、車掌が切符を回収することも多々ある。そのためワンマン走行は無理で車掌が駅の出入口に合わせて前に行ったり後ろに行ったりと結構忙しい。
遠鉄は浜松市の都市化に合わせて、「新浜松−助信間」で1980年高架化工事着工、1985年に完成した。その工事の際、複線化も検討されたが資金難で断念したと言われる。高架化にともなって新浜松駅も移動することになったが、JR浜松駅とは徒歩で5分ほどと少し離れている。遠鉄百貨店(遠州鉄道グループのデパート)が開店している時には中を通って雨でも濡れずに移動できるが、もうちょっとアクセスを改善してほしいものである。それにしても遠鉄のダイヤは単線なのにで12分間隔で走行するとは驚き。しかも乗客が覚えやすいように日中の1時間毎の列車到着時間が同じに設定されている。例えば西鹿島駅では00分、12分、24分、36分、48分に電車が発車する。つまりこのダイヤを覚えておけば、時刻表がなくてもスムーズに電車に乗れるのである。JR中央快速線のマニアックな時刻表とは大違いである。少しはJRも見習ってほしい。
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