能登畠山氏七尾の歴史
6周年記念特別企画
−歴史文献の探し方−

さて、当サイトも2004年11月25日で6周年を迎えます。
今回は歴史サイト運営者7年目を迎える私畠山義綱が
全国の歴史ファンに送る特別企画。「歴史文献の探し方」です。
歴史が好きな人は歴史文献を見るのも好きなはず。そこでここでは
図書館で仕事をした経験もある義綱が、文献の効率的な探し方を
伝授したいと思っております。どうか、最後までお付き合いください。

(1)歴史文献の探し方
 歴史が好きな人はどんどん新しい事を知りたいと色々な本を読んだり、講座(話し)を聞いたりするのが好きなことでしょう。。でも、本を読むならいったいどんな本を読めばいいのしょうか?見たい本はどこにあるのでしょうか?と疑問に思う事もあるのではないでしょうか。そこで、ここでは本の入手方法(図書館の利用法など含む)を取り上げていきたいと思います。

(2)見たい本を探す方法?
 調べたい時代や対象(戦国時代なら大名など)が決まっている人も、では一体どんな本があるのかまでは詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。見たい本を探す方法としては3通りあります。
1、郷土史であれば郷土の図書館レファレンスで聞く
2、雑誌論文・書籍などの参考文献の欄から掘り起こす
3、『史学雑誌』を使う

<郷土史であれば郷土の図書館レファレンスで聞く場合>
 これは特に郷土史を調べたい場合には有効な手段です。郷土の図書館では「郷土資料コーナー」を設けて郷土の歴史書籍を集めているところもあります。また、自治体がその地域の歴史を調べた「自治体史」(例えば石川県七尾市の自治体史なら、市が主体となって『七尾市史』を何冊も刊行している)にも非常に有用な情報があり重宝します。これも郷土の図書館なら確実にあります。都道府県レベルの自治体史書籍ならば大きな図書館なら結構そろっていますので、郷土の図書館に行かなくても近隣の図書館にあるばあいもあります。
<雑誌論文、書籍などの参考文献の欄から掘り起こす>
 雑誌論文、書籍などの論文には必ず参考文献として論文を書くにあたって参考にした資料が全て列挙されています。参考文献は著者名、書籍名、出版社名、刊行年、(雑誌名)が必ず記載されているのでそれを基に資料を探せば芋づる式に自分が見たい書籍が見つかる可能性が大です。特に先に挙げた自治体史は参考文献の量が充実しているので、手付かずの人はまず自治体史の参考文献を見てみることをお薦めします。
<『史学雑誌』を使う>
 歴史学会では有名な雑誌『史学雑誌』。これは史学会が刊行している月刊誌である。この雑誌の5月から6月頃に刊行されるものは「○○年の歴史学界−回顧と展望−」ということで、昨年1年間に刊行された歴史文献でよい資料を解説文付きで列挙している。これは「院政期」「南北朝・室町時代」「戦国時代」「文化」「宗教」なジャンル分けされているので、昨年刊行された書籍の中に自分が見たい本があるのか探すのに大変有用なものである。歴史好きの方には、ぜひ毎年チェックすることをお薦めしたいものである。

(3)具体的に本を手に入れる方法
 さて、読む本が決まったら今度はその本を入手しましょう。本を入手するには3通りあります。
1、新刊として本屋で買う
2、古書として古本屋で買う
3、図書館等でコピーをする

<新刊を探す場合>
 本が新刊(現在市場に流通している本)であれば、全国およそどこの書店でも買えるでしょう。店頭に売っていなくても、取り寄せは可能だと思います。著者名・書名・出版社名を記録して本屋にかけ込みましょう。また最近は便利なものでインターネットでも本が注文できます(「紀伊国屋書店」「丸善」のホームページ等から取り寄せができます。)しかし、本が絶版(現在流通していない)でれば、書店で買うことは出来ず、2か3の方法でしか入手できません。
<古書店で探す場合>
 古書店での購入であれば日本最大の神田古書店街(実際の最寄駅は神保町)が便利でしょう。各古書店には専門分野がある場合がありますので、日本史系の書籍を扱っている書店をあたるのが良いでしょう。また、古書のデータベースがありを検索できるHPもあります(「日本の古本屋」)。そこでヒットした古書店に電話すれば、通販も可能で、絶版本の探し物に大変便利です。ただ、古書によっては定価の○倍という高値がついているものもありますので、そんな時は財布と応相談ですね。
<図書館で探す場合>
 現在、図書館でも蔵書のデータ−ベース化が進み、パソコンで本の検索が出来るなど大変便利になっています。また、ネット上で蔵書検索や貸出状況を知ることができるところもあります。これらを利用してお住まいのお近くの図書館に蔵書が無いかチェックしてみましょう。近くに読みたい本がなければ、都立図書館、県立図書館、国会図書館などの大きな図書館にいけばあるかもしれません。大きな図書館の代表例として、ここでは国立国会図書館と東京都立図書館に関して概説します。

国立国会図書館国立国会図書館のホームページ
 国立国会図書館は、東京の永田町にある日本最大の図書館です。おそらく日本で刊行されたほとんどの図書があると思います(自費出版物などは無い場合もある)。ただ、利用者も非常に多く、全ての本が書庫にありいちいち職員に出してもらわなければならないため、本を見るまでに非常に時間がかかります(本を出してもらうだけで30分以上かかる場合もあります)また、一度に出せる書籍数も限られているので、色々な本を読みたい場合にはあまりお薦めできません。さらに、コピーも職員による複写のため、平均30分待ちで複写代金もA4の場合30円と少し高めです。さらにさらに、館内の静粛に保つ為、18歳未満の方は入館できません。高校生の方は注意が必要です。ちなみに、個人への貸出は行っていません。
東京都立図書館東京都立図書館のホームページ
 都立図書館は都内に中央図書館(港区)、日比谷図書館(千代田区)、多摩図書館(立川市)の3箇所あります。1番大きいのは中央図書館で、蔵書を探すにはここにくれば間違いがないでしょう。ただ、ここもコピーは職員による複写ですので(雑誌、一部の閉架図書は本人によるコピーができるようです:1枚20円)、1枚あたり25円と少々高めになっています。都民であれば、郵送による複写サービスも利用できるようです。

 いくつかの図書館では、郵送による複写サービスが利用できるところもあるようです(東京都立図書館や石川県立図書館など)。大きな図書館が自宅から遠い場合や図書館に行く余裕がない場合などは大変便利です。図書館に問い合わせてみましょう(注意:職員による複写、郵送による複写サービスを利用する場合、著作権法が厳格に適用されます。この場合、本文の半分以上(例えば100ページなら51ページ以上)を複写することはできません。また、場合によっては雑誌などの最新号が複写できないこともあります。)
 また、大学付属図書館を利用して本を複写するという方法もあります。探している本をどこの大学付属図書館が所蔵しているかを横断的に検索できるHPがあります(国立情報学研究所 目録所在情報サービス)。ここで、最寄の大学付属図書館に探し物の本を見て利用する場合、当該付属図書館の大学生以外は「紹介状」と「事前連絡」が必要となります。大学生の方は自分の所属する大学付属図書館にて紹介状を、一般の方は最寄の図書館により紹介状を書いてもらう必要があります。その上で、利用する大学付属図書館に事前連絡します。これは、「うっかり本が貸出されていた」ということを防ぐ為もあるようです。図書館によっては、利用者が訪問するまで、カウンターで貸出されないよう保管してくれるところもあります。わからないことは最寄の図書館「レファレンス」で聞く!というのが最も早い手かもしれません。レファレンスを積極的に利用して効率的な文献探しに励みましょう。

以上が自分の見たい本を探し、それを手に入れる方法です。どうですか、参考になりましたか?

「最後に」
 平成 16(2004)年11月25日で「能登畠山氏七尾の歴史」は6周年を迎えます。開設当初からご訪問下さった方も、最近からご訪問下さった方も、皆様本当に有難うございます。サイト開設6年ということで、いよいよ当方サイトも老舗(というか古いだけが特徴)の部類に入ってきました。また、アクセス数も130000HITSを突破することができ、私としても非常に嬉しく思います。ここまでやってこれたのも、ひとえに掲示板・メール等で皆様の応援・激励があったおかげです。これからも皆様の叱咤激励を頂きたいと思います。何卒よろしくお願い申します。
 ただ、管理人は平成16年4月から仕事が非常に忙しくなり更新どころか日々の掲示板のレスすら停滞している状況となってしまっております。今のところ「更新休止」などは考えておりませんが、更新間隔が非常に長くなってしまうことも予想されます。何卒ご了承頂ければと思います。

平成十六年十一月廿三日
畠山匠作源義綱(花押)


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