情報は2009年8月現在

下野国庁跡
(栃木県栃木市)

 宇都宮市を離れて30km弱離れている栃木市田村町へ。ここは、下野の国庁があったところで、「下野国庁跡」(「国庁」とは国司の中枢施設で現代で言うところの栃木都なら「知事部局」である)が公園となって前殿が復元され、しかも資料館もあるということで行ってみた。しかし、公園&資料館がなかなか発見できない。カーナビにも載ってなくて、復元もしており資料館があるような大きな公園だろうから栃木市田村町に行けば、なんとかなるだろうと思っていたが、田村町に入ると、大通りではな
くどんどん細い道に入っていく。

 道も悪く、スピードを出すとボコボコ音がするので20km/hくらいで進まないと、車軸が痛んじゃいそう…。「本当にここに下野国庁跡の公園があるのか…」と不安になった時に、復元建物らしいものを発見。よかった。駐車場にとめて公園へ。


 公園には一番上の写真のような立派な国庁の前殿が復元されている。しかし一方、公園は草ぼうぼうであまり手入れがされていないのが残念。台風9号が接近した直後のため、水もたまっており、歩きずらい。ただ、公園の整備には目を見張るものがある。


例えばコレ。

 何気なく公園に来た人なら単なる公園の植栽関係の施設だと思ってしまうかもしれないが、これは実は下野国庁の脇殿の建物を展示したものである。よく見ると、説明の表示板が写真の左下に見える。おそらく復元整備にかける費用が多額にかかるので、復元は前殿のみとし、東脇殿などほかの建物はこのような展示にしたのであろう。柱の位置などはその場所に建ててあり、本格的な発掘調査などをした苦労の後が知れる。



 写真は下野国庁跡の南門跡あたり。これも単なる植物が植えてあるのではなく、柱跡に沿って植物を植えているので、下野国庁の大きさが体感できるのがうれしい。このように、下野国庁跡は雑草駆除など維持管理でもうちょっとがんばってほしいところがあるにせよ、その発掘調査や以降復元・整備には費用対効果を考えたすばらしい公園であると言える。これはそれほど財源がないような小さい自治体でもできる文化財の管理保存のモデルケースにされてよいほどのものであると思う。



 よ〜し、いいもの見せてもらった!宇都宮への旅の最後を締めくくる「下野国庁跡資料館」に行ってみよう。

・・・

ん?建物の中がくらい。

・・・

ん?自動ドアの前に行っても扉が開かない・・・。この自動ドアは人を選ぶのか?

・・・

ん?何々?「休館日は月曜・火曜休み?」なるほどね、今や週休2日の時代だからね。しっかり休まなきゃね。日本人はワーキングアニマルって言われちゃうからね…って!何も一斉に週休2日にするこたぁーねぇだろ(怒)勤務交代制にして開けてくれよ。っていまさら怒っても仕方がないこと。しかしこの「下野国庁跡資料館」はホームページもないし、広報活動が不足に感じる。むぅ、旅の最後の最後で不満タラタラ。みなさんも、こちらの施設に平日に行くときには休館日に注意を!



 下野国庁の全体模型。(こういのが資料館にあったんだろうな。発掘調査で出てきたものが展示されていたっていうし。少なくてもパンフレットはほしかった・・・)なるほど、模型を見ると国庁の全体像がつかめる。復元してあった建物の真ん中の部分は塀がなかったんだけど、私は予算の都合かな?とも思ったのだが、忠実に再現してあるだなと納得。前殿だけに通用口のような役割があったのかもしれない。


 前殿の後ろには正殿があることが確実視されているが、現在は神社が建っており、発掘調査も行われていない状態とのこと。国庁全体の公園化と、広報活動の充実を望むばかりである。


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