20周年を迎えて〜その2〜
能登立国1300年 能登ふるさと博を訪ねて

20周年企画1

 明日でサイト開設20周年となります。2018年は、能登立国1300年。そこで毎年開かれる「能登ふるさと博」ではあるが、今年はかなり力の入っている年となっていた。私にとって一番の魅力は七尾市にオープンする「七尾市立博物館(当時の仮称)」だった。七尾市のホームページで確認すると、「子どもを含む市民の研究活動ほか、各種連携場となり能登・七尾について深く「究める」拠点となります。」(「博物館基本計画」より)とあり、とても期待の持てる博物館が開館すると期待を寄せた。


 そして、2018(平成30)年10月28日に「七尾市博物館」は「のと里山里海ミュージアム」という制式名称でオープンする運びとなった。私もこの博物館のオープンをきっかけに3年振り8度目の能登七尾への旅行を決める。


20周年企画2
 場所はもう8度目なので、地図なしでもわかる。能登国分寺公園の隣にできているので場所もわかりやすい。この公園は県営ということなので、石川県が後押ししてくれたと言える。


20周年企画3
 地図をご覧頂きたい。今までの公園の2倍ほどの面積になった。ただ名前がめんどくさい。能登国分寺がある公園が、「能登国分寺公園」で、新しいミュージアムがあるほうが、「能登歴史公園(国分寺地区)」。県とかお偉いさんの考えることはよくわからん。

20周年企画4
 ただ、この「能登歴史公園(国分寺地区)」。訪れたのが11月4日(日)の午前11時くらいだったが、あまり人がいなかった。歴史公園とはいいつつも、このミュージアム以外の歴史的なものはないからな・・・。あとはこの広大な敷地はスポーツでもするしかない?


20周年企画5
 オープンして一週間しか経っていない新品の博物館に入館します。入口には「能登立国1300年 能登ふるさと博」ののぼりが立っています。この建物がその象徴的なものですから気合いも入っているのでしょう。


20周年企画6
 早速入館です。入場料は無料です。ありがたい。けど、研究費用「子どもを含む市民の研究活動ほか、各種連携場となり能登・七尾について深く究める拠点」(前述より)はどうやって捻出するのかな?さて写真不可ではありませんでしたが、展示内容は現地で見ていただきたいので、写真はエントランスくらいにしておきます。
 エントランスからは能登の自治体の紹介があり、七尾だけではなく「能登全体」のPRがされています。そのあたりは「七尾市立博物館」という名前ではなくてよかったのかもしれません。
 さらにメインの展示内容は、やはり名前が「里山里海」とあるので、海の幸だったり自然だったりするものがメインです。能登畠山氏関連の展示もありましたが、分量としては少なく感じました。まあ、「七尾城史資料館」もあり重複するので仕方ないと言えば仕方ないのですが。能登畠山氏に関する動画も、畠山義総が終わると、畠山七人衆、そしてすぐに上杉謙信の侵攻です。もうちょっと畠山サイドに立って欲しかったな。

https://noto-museum.jp/
↑いつのまにか公式ホームページができていました。企画展示室やレクリエーションルームがあり、定期的に企画展やワークショップなどのイベントを開催するとのことです。今回図録などはありませんでしたが、できれば定期的に能登歴史を深める研究発表をやってほしいなと思います。私も開催できる位の力があればなぁ・・・。


20周年企画7
 休憩室兼学習室には、『新修七尾市史』が全巻揃っていました。私は能登畠山氏に関係する部分はほとんど持っているので、あまり参考にはなりませんでしたが・・・。

 見るのにかかった時間は40分程。まあお手軽に見れると言えばそうなんですが、もうちょっと専門的に見られるものだと良いなあなんて思ったりもします、学芸員なんかもいたのかな?よくわかりませんでしたが・・・今後に期待です。


20周年企画8
 ついでといっちゃあ何ですが、8度目の能登国分寺訪問です。
20周年企画9
 とりあえず「能登国分寺展示館」行っておくか。どうせ入館料100円だし。ん!?なんか様子が・・・。閉館中?あれ展示替えの為に10月28日まで休みとあるのに・・・今日は11月4日だぞ・・・。ということで、のと里山里海ミュージアムの職員に聞くと、「能登国分寺展示館」は「のと里山里海ミュージアム」の展示に合併されて閉館した、とのこと。まあ確かに展示館にあった実物の舟などもお引っ越ししてたけど、新しく作った公園の看板にも「能登国分寺展示館」と書いてあるのに・・・。こちらはこちらで残しておいて欲しかったな。


20周年企画10
 仕方ないので、復元された門をちょっとみて退散。寂しいなあ。

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 お昼になったので軽く食べようと旅の同行者の武藤氏はチェーン店の「すしべん」を提案する。チェーン店?と思ったが、羽咋市に本社がある石川県の企業ということでGOする。「すしべん」とは制式には「すし・べんとうのやはた」という。持ち帰り弁当の他、店でも食べれる石川県のではちょっと有名な地元チェーン店だった。今後消費税増税で、持ち帰りは8%税、店内飲食は10%かぁ、とちょっと落ち込んでみる。


さてお腹も満たされたことで、いよいよ七尾城か。何々七尾城へ続く道が土砂崩れで崩落。迂回しなければならない。仕方ないまずは七尾城史資料館へ行って情報をゲットするか・・・。とこれがこの日の良縁を演出した出来事になった。
20周年企画12
 七尾城史資料館で何気なく見たポスター。「『七尾城の戦国合戦』なぜ難攻不落の城は誕生したのか」というイベントの情報だ。ん!?日付は・・・11月4日・・・今日だ・・・。時間は13:30から?今の時刻は13:30だ!ヤバいいますぐ行こう!武藤氏が「場所はどこですか?」と聞きますが、「七尾サンライフプラザ」は七尾城史資料館からほど近いことは知っていた。


20周年企画13
ということで、車で3分程で同建物に到着。13:45にその石川県埋蔵文化センターの職員である川名俊先生の講演会を聞いた。私は何度かメールで川名先生と文書を交わしたことがある。お会いできるとは嬉しいことだ。


20周年企画14
 この日はパソコンの調子が悪く、度々画像が乱れて川名先生も苦笑していたほど。詳しい画像は著作権もあるので、掲載は控えるが、この画像にあるような「畠山義綱の能登入国戦」が語られるなど、私の守備範囲のドストライクな講演会には正直萌え萌えであった。講演会の後の質問コーナーでは結構地元の方がするどい質問をバシバシぶつけ、郷土史に対する地元の愛もあるんだなと思った。講演会後、私も川名先生にご挨拶。名刺交換(と言っても私はプライベートのため名刺を持たず)をしてもらった。
 今回の旅で一番嬉しかった誤算が、この突然参加できた地元の歴史講演会だった。もっとこういう歴史の講演会を聞きたいな・・・と切に思った瞬間だった。


20周年企画15
 さて、講演会ですっかり遅くなったが15:30に七尾城史資料館に戻ってくる。そして8度目の入館。ここでは七尾城史文化事業団が刊行している年刊雑誌『七つ尾』を購入。この博物館も写真OKなのだが、個人で楽しむ用としての写真OKであり、掲載はしないでおく。小さな博物館ではあるが、2008年頃から少しずつ展示内容を変えてきている。能越自動車道の建設などもあり、研究に進展があるからであろう。しかし、能越自動車道の七尾城山ICまで開通してしまったので、今後の研究が進むか多少疑問はある。「のと里山里海ミュージアム」に期待しよう。


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 そしていよいよ8度目の七尾城。やはり圧巻の調度丸の石垣。2007(平成19)年の能登地震の時に石垣も崩れたが、1年かかって丁寧に修復された。


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 七尾城はとくに発掘調査も行われておらず、2008(平成20)年の能登畠山氏創設600年記念をきっかけに僅かに城内の見学道が整備されたに過ぎない。しかし、2016(平成28)年に「七尾城の復元CG」が七尾市の製作により公開されると、七尾城の案内板にも上記写真のように利用されるようになった。これでそれほど歴史に詳しくない観光客にも七尾城の雄大さをイメージしてもらえると思うとちょっと嬉しい。


20周年企画18
 そして能登を訪れると毎回ここに来る。七尾城本丸跡。そして七尾市と七尾湾を一望する。ここに来るとなぜかとてもすがすがしい気持ちになる。高層ビルなどない戦国時代には、本当にこかから見える七尾の街が絶景だったに違いない。


20周年企画19
 この日は七尾駅前のホテルアリヴィオに宿泊した。駅近くで建物も部屋も綺麗で、何より無料の朝食がおいしい。
20周年企画20
 この日の夕食は、七尾市役所にほど近い「ちゃか寿司」さんでいただいた。新鮮な七尾の海のもの。そして東京から比べると安いしうまい。


 こうして私の能登立国1300年を記念した旅行の1日は終わりを迎える。翌日は、七尾市中島町の熊木城と、志賀町の末吉城(堀松城)へ行く。その様子は、能登の城で見てもらいたい。次に七尾に行くのは何年後か。しかし、そう遠くのことではないと思っている。それは七尾は私の心のふるさとだから。

平成参十年十壱月廿四日
畠山義綱(花押)

20周年を迎えて〜その1〜この20年の歩みを振り返る


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