人物列伝
「国分盛重」

人物名 国分 盛重(こくぶん もりしげ)
生没年 1553〜1615
所属 国分家
主な役職 国分家第18代当主
参考文献 紫桃正隆『みやぎの戦国時代合戦と群雄』宝文堂.1993年
人物の歴史
 伊達晴宗の五男。母は磐城重隆の女久保姫(裁松院)。幼名彦次郎。初め政重。九郎。三河守、能登守。法名良雄道智行。国分氏は国分氏は仙台市「国分荘」でおこった豪族で、伊達政宗が仙台を席巻する前の支配者であった(仙台は国分氏の頃「千代」と書いた)。国分氏は奥州探題が奥州畠山氏方と吉良氏方に別れて対立する中で、吉良氏側に味方した。結果吉良氏がこの対立に勝利し、吉良氏に味方した国分氏もまた大きく勢力を増した(一方奥州畠山氏に味方した国分氏のライバル留守氏は大きく勢力を後退させた)。しかし、戦国期に至り留守氏が米沢の伊達家の力を得て勢力を増したことに加え、国分氏では家臣団の対立・分裂が激しくなり勢力は衰えていった。
 国分盛重はそんな中、第18代国分氏当主となった。ただ盛重が当主となった経緯は複雑である。15代盛氏の跡は嫡子・盛顕が家督を継承したが、盛顕は病弱で早々に弟・盛廉を養子を取り政務を取らせた。ところが、この17代当主盛廉が出陣した先で討死し、結局盛顕が代理で政務を見る事となったのである。この国分氏の不幸に乗じて、勢力を益々増していた伊達氏が政治的介入し晴宗の五男・政重(盛重)を家督に据えるよう圧力をかけた。国分氏家中では、親伊達派と反伊達派に二分し政重の入嗣が議論された。反伊達派は政重では名門国分氏の家督継承には役不足だと論じていたが、結局伊達家が政重を正式な家督継承者でなく、一代官として国分氏に送り込む事、輝宗に次男が出来たらすぐに国分氏に入嗣させる事という条件をつけて妥協し解決に至った。しかし、この約束は守られず、入嗣した盛重は国分氏の重臣・堀江掃部の支援を得て1577年正式に国分氏の家督を継承した(ちなみに1578年に輝宗に次男・小次郎が誕生したが、約束は守られず入嗣は行われなかった)。
 この約束破棄が影響したか、盛重治世の国分家中は安定せず、盛重に対する家臣の反発は根強く続いた。混乱した家中を盛重はまとめあげることができず、国分氏の問題に伊達家が介入して解決するなどその指導力はいまいちであった。ただ盛重は伊達政宗の信頼があったようだ。1595年の豊臣秀次事件の際に政宗が秀吉に叛意有りと疑われた時、伊達家の重臣たちが政宗の無実を訴える連署を提出したが、この5番目に盛重も署名していた。政宗の生死に関わる重要な連署だけに、その署名は盛重が政宗にどれだけ信頼されていたか伺えるものとなろう。しかし、国分家中の盛重に対する反発は一層激しさを増し、盛重は家中で「政事宜しからず」と評され、ついには盛重を支えていた堀江掃部にも見限られたのであった。堀江掃部は「盛重が政宗に対して叛意有り」と嘘を政宗に報じ、ついに1599年に至って盛重は政宗に攻められ落ち延び、名門国分氏は滅亡するのである。
 その後、盛重は常陸の佐竹氏の元で庇護され、佐竹氏が関ヶ原の合戦で西軍に味方し、出羽に改易されると盛重もこれに従い出羽に移り同地で没した。
義綱解説
 国分氏はファミコンではそこそこ有名だった「独眼流政宗」というソフトで仙台を治めている敵として登場している。しかし、勢力はかなり弱く、ほぼ最初にプレーヤーにターゲットにされる国である。それだけに、国分氏がどのような勢力であったか結構興味を持っていた。東北旅行をした際、仙台ある書店で紫桃正隆『みやぎの戦国時代合戦と群雄』宝文堂.1993年という本に出会いそこに「仙台平野の雄族国分氏 栄光と転落の記」と題され大きく扱われていて、この列伝を組む事ができた。それにしても、政宗登場の頃の国分氏はほぼすでに伊達家の手中に収められていたとは知り、なるほど、ゲームですぐ伊達に滅ぼされてしまうわけも納得した。

☆信長の野望での国分盛氏能力値の変遷
政=政治。戦=戦闘。武=武勇。知=知略・智謀。采=采配。統=統率。魅=魅力。教=教養。野=野望。健=健康。運=運。足=足軽適性。騎=騎馬適性。鉄=鉄砲適性。水軍=水軍適性。弓=弓適性。計=計略適性。兵=兵器適性。城=築城適性。内=内政適性。
全国版の数値はMAX=106。数値はゲームの過程で上限を超えて変動。
天翔記の数値は政治、戦闘、智謀のみMAX=200、それ以外はMAX=100
♯全国版のみ「知能」を「政治」に、「野心」を「野望」の能力値に置き換えた。
♯蒼天録以前は「知略」は「智謀」であった。

ゲーム 兵種 特技・策戦
蒼天録 29 - 12 18 37 足軽・騎馬 改修・収拾
天下創世 28 - 12 17 28 なし
天道 32 21 14 19 D C D D D 突撃之一

 蒼天録にして伊達家家臣として初登場。能力値はやはり家臣に讒言されたということだけあってかなり低いレベルです。天下創世でもさほど変動無し。蒼天録登場の国分勢としては、盛重の他に盛顕・盛氏が登場している。盛氏の能力はそこそこですが、盛顕の能力値は盛重同様散々です。

BACK

「人物列伝」の目次へ戻る


Copyright:2010 by yoshitsuna hatakeyama -All Rights Reserved-
contents & HTML:yoshitsuna hatakeyama