空と文字(SEA)

ソレッタ王国
(DQW)の謎

なぜ、ソレッタ王国か?
筆者がドラクエWをプレイした時、その幼心に王様も畑仕事をし、夜は国民へ城内を寝場所として提供する、そんな
温和な心をもったソレッタという国にとても魅了された。それは、DQWでセーブする際には必ずソレッタの教会を
利用するというような行動にも顕著に現れたのだ。だから私はソレッタ王国を研究せずにはいられないのだ(苦笑)

ここでは、ドラクエWに登場する農業国ソレッタ王国について
様々な検証を試みたいと思っています。
※ほぼ管理者の推測・憶測で成り立っている事を御了承ください。

「ソレッタ王国の謎」contents目次
木片(1)ソレッタ王国基本DATA
木片(2)ソレッタ王国の謎-分析編-
木片(3)ソレッタ王国の地図
木片(4)3D復元!ソレッタ王国byDQB

(1)ソレッタ王国基本DATA
ソレッタ
王都 ソレッタ
主要産業 農業(ゲーム画面上の畑は4面)
<農業全盛で国土は見渡す限り畑>
漁業?
(※1)
主産物 パデキア(どんな病気も治す植物)
野菜(にんじん・大根)
人口 調査中(ゲーム画面上では12人)
領土 ソレッタ王国の地図にて若干この考察あり
外交 各国からの多額債務を抱えて立場弱い
(ソレッタの謎-分析編-Q4にて理由を述べる)
食料自給率 100%?
店舗数 調査中(ゲーム画面上では宿屋・道具屋・教会)
宿屋 ●24時間営業(ゲーム画面上ベットの数は2つ)
1人=9ゴールド
道具屋(※2) ●営業時間は昼間のみ
薬草(8ゴールド)
毒消し草(10ゴールド)
満月草(30ゴールド)
教会 ●24時間営業
セーブ機能 ・・・他
方言(※3) 「〜だよ」(いかにも農業国らしい!)

(※1)ソレッタ城は「海沿い野原の向うにソレッタ城が見えてきた時には(後略)」(久美沙織『小説ドラゴンクエストW3双華流浪』エニックス文庫,1992年,P274)というブライの言葉よりもわかるように海に近いという水利の良さがある(ゲームフィールド上にして、ソレッタ城から海まで3マス)。また、FC版ドラクエWの夜のソレッタでは、何やら教会の裏の海辺で商人の男が「あたたた!しびれくらげに刺された!」と言っている。この男は夜釣りでもしていたのではないか?農業が主要産業であることはソレッタ王の発言や「ここは ソレッタの国。どんな病気も治すパデキアの特産地だよ。」(FC版ドラクエWソレッタ女性の言葉より)という言葉より間違いないが、家計を支える程度に漁業もやっているのではなかろうか。
(※2)ソレッタの道具屋に、草系の道具しか売っていないというのは、いかにも農業国らしい。
(※3)例としては「誰かを探してるだか?そういえばこの前アリーナっちゅう娘が来たなあ。 ごついのやらきざったらしいのやら3人ほど男を連れていただよ。」(FC版ドラクエWソレッタ南の畑にいる 農夫の言葉より)、「おいらはよーとっ畑耕し30年―っとお!パデキアの根っこ?あれは5年前の干ばつで全滅しちまっ ただよ。だから今はにんじんやら大根を作っているだよ。」(FC版ドラクエWソレッタ東の畑に いる農夫の言葉より)、「ぐうぐう……。こうして雨露をしのげるだけでおらは幸せだよ。」(FC版ドラクエW 夜のソレッタ城1Fで寝ている農夫の言葉より)


(2)ソレッタ王国の謎-分析編-

Q1「どうして王様が農業をしているのに、大臣は何もしないの? 」
 ソレッタ城に入り、勇者がソレッタ王にお目に掛かろうとすると玉座に王の姿はなく「王様に会いに来たのか?しかし 我が王は野良仕事に出ておられる。王自らが働かねばならぬほど この国は貧しいのだ。」(FC版ドラクエWソレッタ城王の間大臣の言葉より)と大臣が言う。しかし、ここで絶対誰もが不思議に思うことがひとつ。国が貧しくて王様が畑仕事をしているのに、大臣の王の間でボケーっと突っ立ているのは良いのかということである。 一見するとこの大臣は大逆臣のようにも思える(笑)。大臣も暇があれば畑仕事を手伝えばいいじゃないと、皆が一瞬思うこ とであろう。でも考えれば、ソレッタ王国が王国であるからには、政府としての仕事も当然あるはずである。例えば、輸出入の管理(以前はパデキアの関税などで相当利益があったはず)、農産物の管理(農協のような役割で城に生産品を集中させ、価格の安定を図っていると考えられる)などの仕事が少なくとも存在すると思われる。でも、王は昼間は農業で忙しく、公的な仕事を している暇は無い。ならば大臣が勇者が来ていない間(見ていない時)に公的な仕事を王に代わってして いるのではないか?
 また、敢えて大臣では無く王が畑仕事をする理由として、「王は国民統合の象徴として自ら率先して農業をしている」と私は考えた。王が玉座にいて、大臣が畑仕事をしていたのでは、貧しい生活を送っている庶民から「王は一体、俺達の為に何をしているんだ !」非難のまとになってしまう。下手をすれば革命だって起きかねない。それを考えて敢えて大臣ではなく、国のトップたる王自ら畑仕事をすることによって国民全体を鼓舞しているのではないか。ソレッタ王はドラク エW世界一の苦労人の王と言える。
A「王様は国民統合の象徴で、ソレッタ国民を鼓舞するため」

Q2「PS版ドラクエWのソレッタは貧しすぎるが、国家としてやっていけるのか?」
 これは筆者も書店でPS版ドラクエWの攻略本を見て愕然とした。というのも、ソレッタ城は丸太と布の屋根で出来ておりサーカステントのような作りだし、城下町も宿屋以外には屋根もなく(その宿屋も壁はなく、4本の丸太と布の屋根で作られている)、道具屋・教会・民家に至っては床に ゴザが敷いてあるのみ。さらに民家ではゴザに萱葺きらしい布団があるという始末。雨が降ったらすべて濡れてしまい国家としての体裁どころか村としての体裁もなしていない。それに対してFC版ドラクエWでは、下の図1「ソレッタ城及び城下町全図」を参照してほしいの。城も家もすべて石造りとなっているし、民家および宿屋にもしっかりとしたベットもある。FCからPSにハードがバージョンアップし、リアリティーを追求するためにビジュアルを良くしたはずなのだが、それでソレッタを特徴づけようした結果だとと考えられる。しかし、これでは普通に考えて国家としての体制をなさず非現実的である。リアリティーを追求した結果、非現実的になってしまったという皮肉な結果でアル。
 PS版DQWに見られる、家の屋根がないという事情は、FC版の時にも少し垣間見える事がある。「ぐうぐう… …。こうして雨露を凌げるだけで、おらは幸せだよ。」(FC版夜のソレッタ城1Fで寝ている男性の言葉より)という言葉。これは、2通りの解釈が出来る。1つ目は、この男性が自分の家を持っていないという解釈。2つ目は、家はあるのだがPS版に見られるように家には屋根がないので、雨が降った折には城か宿屋に避難しなければならない解釈。という2点である。でもFC版のソレッタから考えると、石造りの壁で屋根だけがないとは、到底考えられないので、ここは前者の解釈となろう。とすると、PS版DQWになってソレッタは国としてあり得ない形になってしまった感がある。 FC版でも大臣ですら王の間の床で寝ているので、元々慢性的な家不足(経済力不足?)なんでしょうが、やはりPS版DQWのソレッタの扱いはひどすぎるものがある。そこで、「ドラゴンクエストビルダーズ」(PS4版,2015年発売)で、筆者が思うソレッタ王国を再現してみたので、(4)「3D復元!ソレッタ王国byDQB」をよろしければご覧頂きたい。
A「PSのビジュアルの進化で非現実的な国家に。FC版のソレッタが現実として正しい。」


↓図1.ソレッタ城及びソレッタ城下町全図
ソレッタ城下町

Q3「ソレッタ王国の国民性は?」
 結論からすると、非常に優しい国民性をもつ国ではないかと思う。それは、農耕民族(?)からくる性格の温和さか、それとも貧しさを経験してからこその、相互扶助の意識であろうかは定かでない。では、その国民性が見て取れる場面を紹介しよう。
 まずは、なんといっても王が国民と共に農業に汗を流している事や、「パデキアが全滅してから働いても働いてもこの国は豊かにならないのです。可哀相な王様……。」(FC版ドラクエWソレッタ城内王様の寝室の女性より)それに同情する 国民との関係からも伺える。他にもソレッタ城の入り口警備兵が「ようこそソレッタのお城へ!さあどうぞ中へ。」(FC版ドラクエW昼ソレッタ城警備兵の言葉より)との言葉から、旅人を歓迎している様子が見れる。他の城だと、「ここは○○の城だ」で台詞が止まっている事も多い。さらに、ソレッタからミントスに嫁いだ娘もいる事を考え合わせると、外部の人に対しても非常に人付き合いも良いと想像できる。また、ソレッタの国民性を端的に表しているシーン が、ソレッタ城の夜である。ソレッタ城警備兵は夜になると「ここはソレッタのお城。しかし、王様はすでにおやすみであられる。」 と言いながらも、城内へは入らせてくれる。すると城内1Fでは、ソレッタの農夫と女性が寝ているのである。おそらく彼等は城下に(貧しさからか?)家を持たないのであろう。そのような国民もソレッタ城では受け入れる広い心・相互扶助の精神があるのだ!
 また、ソレッタ国民は非常に勤勉な国民性を持っているようである。「ひとびとは、鋤や鍬を持って、みな熱心に働いておるの じゃ。」(久美沙織『小説ドラゴンクエストW3双華流浪』エニックス文庫,1992年,P274)、「貧しくとも王と国民が心をひとつにしているとは、なかなか見所がある。 ふーむ。ソレッタの国は いずれ大きな国になるかもしれませんな。 」(3DS版DQWのブライの言葉より)とブライはソレッタの国民性を評価 している。このことを裏付ける証拠として、夜のソレッタに入ると、王様の畑の北にある畑の農夫がまだ働いていることが挙げられる。その際、昼と同じように「おいらはよーとっ、畑耕し30年ーっとお!これからは頑張ってパデキアを育てるだよ。」(農夫の言葉より昼夜共通)と言うことも彼の勤勉さを一層浮きだたせている。教会の裏で道具屋が釣りをしている(?)ことも、その 勤勉性を物語っているように思える。
A「温和な性格と相互扶助の心、勤勉な国民性を持つ!」

Q4「ソレッタ王国と周りの国々との関係は?」
 パデキア栽培が順調だった頃のソレッタ王国はかなりの輸出大国であったようだ。それを証明するものに「働けど働けど、豊かにならぬ。なにせ納めるはずのパデキアの見返りに、各国から、金物や布などを貰ってあったのでな。借金を返すので精一杯なのだ。」(久美沙織『小説ドラゴンクエストW3双華流浪』エニックス文庫,1992年、P275)というソレッタ王の言葉からも伺える。 ここから察するに、パデキアはかなりの輸出物としての価値を持ち、ソレッタ王国がパデキアの輸出に頼るモノカルチャー(単品生産)国家であることが窺い知れる。それはリメイク版のPS版ドラクエWでトルネコが「目玉商品だけに しぼるとこういうリスクがあるんですよね。あぶないあぶない。 」と発言してもいる。それゆえ、パデキア全滅後にこれといった代替輸出物が無く、価格の低い農業産品でソレッ タ王国の債務(借金)を返済しているのである。
 当然、輸出するべきパデキアが輸出できなくなった事により、ソレッタ王国と周りの国々との信頼関係も崩壊し、パデキアの特産地としてのソレッタの魅力も薄れ、ドラクエWの世界各国からソレッタはそれほど注目されない国家となっていたであろうことは容易に想像できる。とすれば、勇者が初め訪れた頃のソレッタ王国は外国との交流・外交交渉は、債務返済の為の他はほとんど無くなっていたと思われる。元々ソレッタ王国はパデキアの他に特徴的な産業もなさそうなので、それ程ドラクエW世界の国々の中でも発言権のある方ではないと思われる。だから、パデキア亡き後は貧しい農業国として世界の注目を浴びる事もなかったのであろう。それゆえ、外国と積極的に外交交渉を持つ事も、エンドール王国とボンモール王国のように戦争状態に発展する事もなかったと思われる。
 また、民間貿易としてのソレッタを考えても、世界を旅する商人もパデキア絶滅後のソレッタ王国に魅力を感じるはずもなく、 徐々にソレッタに足を運ぶ事もなくなり、それに伴ない外部交流が減っていったと思われる。そうなると、経済学の視点から考えると国内の農業生産物はさらに売れなくなり、「物が売れない→失業増大→賃金の減少→物が売れない」というデフレスパイラル(景気の悪循環)の状況に陥っており、一層貧しい国になっていったと思われる。

 また、同じ大陸の街との交流についても考察すると、「私の故郷はこの大陸の遥かはずれ、小さなお城のある村ですわ。まだパデキアの栽培をしているかしら……。」(ミントスの街夜民家の女性の言葉より)という言葉が聞ける。これは、ミントスに嫁いだ、ソレッタ城東にある民家に住む老人の娘の言葉である。Q2で示したソレッタ王の言葉よりもわかるように、ソレッタ王国でパデキアが全滅してすでに5年が経っているにも関わらず、ソレッタ城に1番近い街であり、ソレッタ王国を故郷に持つ娘にまでソレッタの情報が伝わっていない。これは、「ソレッタ−ミントス」間の交流がほぼなくなっていることを示している。何故交流が途絶えているのか?それは、まずパデキアの生産ができなくなり、ソレッタ王国に行く価値がほとんど無くなっていることがまず挙げられる。それに加えて「遠からぬソレッタ の国にパデキアという世にもありがたい薬草が産するはず、それさえ飲ませれば、いかなる病もたちどころに治ってしまうに違いないのじゃが、かの地への道は魔物が多く危険極まりなく、使いを出して取り寄せる事ができなくて申し訳ない」(久美沙織『小説ドラゴンクエストW3双華流浪』エニックス文庫,1992年,P269)というミントスの街ヒルタン言葉や、「ヒルタンの老人が、手代の商人、荷送り人を出したがらぬわけじゃ。コンジャーラじゃの、ブルホークじゃの、地獄の鎧じゃの厄介な魔物が数多出た。 (中略)海沿いの野原の向うにソレッタの城が見えてきた時には、まことに安堵いたした。」(久美沙織『小説ドラゴンクエスト W3双華流浪』エニックス文庫,1992年,P274)というブライの言葉からも、「ソレッタ−ミントス」間の通行が相当困難な道であることを示している。
 ただ、ミントスの街より東に進んだほこらにて「ここからずっと南に行くとソレッタのお城だよ」(商人男の言葉より) という言葉が聞ける。この商人がソレッタの事を知っているという事は、現在でも多少の旅人が訪れるか、世界各国からのソレッ タ王国の債務取り立て代理の商人かもしれない(まあ、借金取りでも人が多少でもソレッタに訪れるので、ソレッタの宿屋がやっ ていけるんですね)。
A「パデキア全滅後のソレッタ王国は、多額の債務返済とデフレスパイラル状態で世界から注目されず!」

Q5「パデキア復活後のソレッタ王国の状況はどうなった? 」
 ドラクエWのゲーム上では、パデキア復活後のソレッタ王国がどうなったのか知る術は無い。あくまで推測に過ぎないが、相当の裕福な国になったと思われる。それは何故か。パデキアの生産効率の良さの為である。勇者達が体験したのでわかると思うが、パデキアは種をソレッタの畑に埋めるとすぐに発芽し、万病に効く「パデキアの根っこ」が出来あがるのである。 “種→発芽→根っこの収穫”という一連の作業はものの5分もあれば出来るであろう。となれば、ソレッタ王国次第ではパデキアの大量生産も可能なのだ。しかし、恐らくパデキアの大量生産はしないであろうと予測できる。パデキアを大量生産すれば 、パデキアの価格は大暴落することになる。それこそ、ドラクエ世界の薬草のようにどこの国でも安く買い叩かれる結果となろう 。となれば、ソレッタ王国の採るべき道はひとつ。パデキアの生産調整である。日本国内産の米価維持のように、あるいはOPEC(石油輸出国機構)の原油価格維持の為に生産調整をするように、生産個数を調整することによって、価格の暴落を防ぐのであ る。パデキアがソレッタの畑でしか適さない品種のままであれば、ソレッタ王国の生産調整により、貴重な薬としてのパデキアの 地位は維持され、ソレッタ王国のパデキア独占輸出がソレッタ王国に莫大な利益をもたらすであろうことは、容易に想像できる。 つまり、デスピサロが居なくなったあとのドラクエ世界で、ソレッタ王国は輸出大国になったと想像できるのである。事実、パデキアが取れた頃のソレッタでは、パデキア貿易で多額の金物や布を得ていた輸出超過国であった。
 ところで、ドラクエWの未来とであるドラクエXの世界でソレッタ王国とほぼ同じ位置にあるのはグランバニア王国である。安易な憶測は避けなければならないが、敢えて誤解を恐れず推測を述べると、ソレッタ王国の発展した姿は実はグランバニア王国となっているのではないかとも想像できる(名前が変わったのは周辺の国々を合併したからか)。国民と一緒になって畑仕事をするソ レッタ王の姿や、夜のソレッタ城に家を持たない国民に寝場所を提供するソレッタという国と、国民の事思ってモンスターなどの被害に遭わないよう堅固なグランバニア城内に城下町を作ったというグランバニア王の優しい心は共通するようにも思われる。「貧しくとも王と国民が心をひとつにしているとは、なかなか見所がある。 ふーむ。ソレッタの国はいずれ大きな国になるかもしれませんな。 」(3DS版DQWのブライの言葉より)というブライの言葉にもそれを臭わすセリフが存在する。とすれば、ドラクエXにおいてグランバニアでパデキアの話が出ないのは、また全滅したのであろうか。しかし、今度はすでに十分に得た国力でパデキアの特産国であるというモノカルチャー国家から脱皮する意味で、パデキアの栽培を放棄したのかもしれない。おっとだいぶ憶測が過ぎたようだ。ともあれ、ソレッタ王国がグランバニア王国だとすると、ドラクエXの勇者はソレッタ王国の血筋をひくものとなるのであろうか。いや、ひょっとすると、「そなたたちは救いの神!これでこの 国も安泰じゃ!」(FC版ドラクエWソレッタ城大臣の言葉より)とも言わせるまでの、勇者のパデキア復活のソレッタ国への貢 献度から、ドラクエWの勇者がデスピサロ打倒後、ソレッタに在住し王位についたのかもしれない・・・ ・。
A「ソレッタ王国は輸出大国に!ソレッタ王国は実はドラクエXのグランバニア王国!?」

Q6「ソレッタ王ってどんな人? 」
 Q1でも取り上げたが、ソレッタ王国は王様自らが先頭に立って農業を行っている。そしてそれを国民が見ることによって「貧しくとも王と国民が心をひとつにしている」(3DS版DQWブライの言葉より)という状況を生み出している。またドラクエWのメンバーは、ソレッタ王について「ここの王さまはホントいい人ですよね。自分で働くのがえらいっ。エンドールもボンモールも王と言えば人に命令するばかりで、いやあ苦労させられましたよ。 」(3DS版DQWトルネコの言葉より)、「王みずからが畑に出てのら仕事にせいを出すとは!むむうっ なんとご立派な!」(3DS版DQWライアンの言葉より)、「ソレッタ王はずいぶん国民にしたわれているんですね。 きちんと働く人のほうが遊んでばかりいる人より立派ですもの。当然ですね。」(3DS版DQWミネアの言葉より)と述べており、全ての人に好印象を与えている。これは王様が(1)元々勤勉である。(2)国民の貧しさを享受して自ら先頭に立つリーダー性。(3)自ら先頭に立つ事で国全体を鼓舞するというカリスマ性。を併せ持ったリーダーであるということが言える。城下町の住民が干ばつでパデキア絶滅から5年が経っていると言われているが、高額なパデキアの代償として、低価格な農業産品だけで5年も持ちこたえているのは、この王がいるからとも言える。そして、この王には王子や姫どころか后も見当たらない。独身である。国が貧しくては自らの身の安泰より国の行く末を案じているのだろう。おそらく、パデキア復活後の豊かになったソレッタ王国になって始めて王も結婚をしたのではなかろうか。そう考えると、ソレッタ王はドラクエW界の能力No,1王としての称号すら見えてくるような気がする。
A「ドラクエW界の能力No.1王」

Q7「パデキアってどんな植物? 」
 ソレッタの特産品である「パデキア」いったいどんな植物なのであろうか。パデキアの生産効率の良さが非常に良い。。勇者達が体験したのでわかると思うが、パデキアは種をソレッタの畑に埋めるとすぐに発芽し、万病に効く「パデキアの根っこ」が出来あがるのである。 “種→発芽→根っこの収穫”という一連の作業はものの5分もあれば出来るできる。病を治すためには、ねっこを煎じて飲むのだが、重い病をパデキアによって克服したクリフトが味についてこう述べている。「パデキアの味ですか?そうですねえ、たとえるなら姫さま手作りのケーキのような……。いいえそのっ!別にまずいとか、苦いとか、そういうつもりでは!!」(3DS版DQWクリフトの言葉より)。つまりあまり美味とは言えないようなものである。ドラゴンクエストのマンガでパデキア料理というのが紹介されたが、それは草の部分を使っているようである。ちなみに、パデキアあるあるとしては、「パデキアの洞窟でとってきたパデキアの種をクリフトに飲ませようとして何も起きないという現象。」パデキアの種をソレッタで育てて、ねっこにしないと意味がありませんよ。
 ちなみに、下の図2は星のドラゴンクエストにおける「パデキアのねっこ」のイラストである。なぜか道具ではなくアクセサリーとして身につける装備品となっている。その効果は、「やすみガード+微弱」で、やすみ状態の回復時間を早めることができる。「呪いガード+微弱」は呪い攻撃を付与する敵と戦う時に有効のよう。

 ↓図2.星のドラゴンクエスト
における「パデキアのねっこ」
パデキアねっこイラスト
 ↓図3.パデキアのねっこの効果
パデキアねっこ効果

(3)ソレッタ王国の地図
ソレッタ大陸
↑図4「ソレッタ大陸全図」

★どこまでがソレッタ王国領土なのか?
 図4の「ソレッタ大陸全図」を見て普通に考えれば、ソレッタ城のある大陸に城はソレッタ城しかないので、大陸全域が支配地域とも考えられる。しかし、ソ レッタ城の北西にあるミントスの街は「都市国家」であるらしいことがわかった(『ゲームブックドラゴンクエストW』 より)。ということは、ミントスの地域まではソレッタ王国の支配は及んでいない事になる。一方、大陸の南に視線を向けると、ソレッタ城より南に少し進んだところにパデキアの洞窟がある。パデキアが全滅した時のためにソレッタ前国王はパデキアの種を隠している場所である。現国王が「わしはこの国の王じゃ!我が国のパデキアが全滅してから既に久しい。前の王がもしものときにと南の洞窟にパデキアの種を保管しておいたそうだが……。(後略)」(FC版ドラクエWソレッタ王の言葉より)という現国王の言葉からも読み取れる。ということは、パデキアの種を隠した当初、パデキアの洞窟地域はソレッタ王国の領土だということが考えられる。なぜならば、他国・または無国主の地であればせっかく埋めたパデキアの種を誰かに盗難される恐れがあるからだ。だが、勇者がソレッタを訪れた時には、貧しい農業国である状況から考えて、その支配力はパデキアの洞窟まで及ばない事も十分考えられる。無主の土地にも関わらず、パデキアの種が5年間も盗まれなかった理由はなんであろうか。それは、ゲーム中の「パデキアの洞窟」からもうかがえる。それは、@洞窟に前ソレッタ王が施した細工(移動ブロック)があること。A洞窟に魔物が住み始め、アリーナを要する一行でも苦戦するほど。という2点をもって、辛うじて盗難を免れたと言える。皮肉にもソレッタ王国の支配力が及ばなくなった故に強い魔物が住み始めたと考えられ、それゆえ、勇者一行が取りに行き、誠実にソレッタ王にその種を渡したことからソレッタ王国は再び「パデキアの産地」として有名になったと言える。
結論「繁栄期には大陸の南部、現在ではソレッタ城の周辺のみか」


(4)3D復元!ソレッタ王国byDQB

※画像はクリックすると拡大します
ソレッタ王国20
↑ソレッタ王国全図byDQB
ソレッタ王国03
↑民家側の畑からみた城と宿屋byDQB
ソレッタ王国16
↑夕方のソレッタ王国の道具屋と民家byDQB
ソレッタ王国12
↑ソレッタ城2階から見る城下町byDQB
ソレッタ王国18
↑夜のソレッタ城byDQB
 ソレッタ王国06
↑ソレッタ城内1階。国民のために藁ベッド有りbyDQB
ソレッタ王国17
↑宿屋内。質素だが標準装備byDQB
ソレッタ王国14
↑民家内。いにしえの調合台設置byDQB
 
ドラゴンクエストビルダーズ(2015年発売、以下DQB略)でソレッタ王国を3D復元してみた。元はファミコン版ドラクエWのソレッタ王国。ちょっと誇張したのは道路がレンガ造りになっている点。パデキア復活で舗装されたと思ってください。城は石造り2階で質素ながらなかなかしっかりとしたもの。王様の寝室はキングベッドにした。城の1階の大広間には階段裏に藁ベッドを配置。これは雨が降った時に家のない国民向けのベッド。「ぐうぐう… …。こうして雨露を凌げるだけで、おらは幸せだよ。」(FC版ドラクエWより)という国民の言葉にあわせて作った。
 城下町の建物は4軒。教会の壁は「おしゃれ壁」。宿屋の壁は「レンガ壁」。民家と道具屋は「木壁」に仕上げた。宿屋は質素だけど他の町と比べての標準装備(ベッド、棚、机)は配置した。ソレッタが王国なら来賓が来た時にも対応できる最低限の設備がなくちゃね。そう考えると、PS版ドラクエWのソレッタの町の風景は現実にはあり得なく、非リアリティーになってしまった感がある。道具屋には展示台を設置し、薬草とどくけし草を配置。ソレッタの道具屋には草系の商品が似合う。民家には「いにしえの調合台」を設置。ここで農業系の研究を行っていると想定した。
 城下町にある4つの畑には、小麦、ジャガイモ、まめを植えました。パデキアを再現するなら「聖なる草」なのかもしれないけど、形が大きすぎてリアルにならなくなったので止めた。かかしは「おおきづちのぬいぐるみ」で再現した。ソレッタは農業国なので、町も少しの段差があるとリアリティーがでる。またソレッタ城のマップの周囲は森林に囲まれており、DQBでも森林が近くにあるとよりそれっぽくなる。

 こうして3D再現すると、小さいながらもソレッタは設備が充実しているなあと感じる。ドラクエWの中ではボンモール城は城に対して城下町が小さく圧政を感じさせる。サントハイムも城の規模に対して町が小さいし、少し離れている。キングレオに至っては城下町すらない。そう考えると、ソレッタ城は質素で堅実。国民のことを考える王の中の王と言えるのではなかろうか。  

☆参考資料
ファミコン版「ドラゴンクエストW」エニックス,1990年
プレイステーション版「ドラゴンクエストW」エニックス,2001年
3DS版「ドラゴンクエストW」スクウェアエニックス,2007年
久美沙織『小説ドラゴンクエストW3双華流浪』エニックス文庫,1992年
『ゲームブックドラゴンクエストW3第5章(前編)』エニックス文庫,1990年

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