バスと新幹線
過去の経済講座

第10回「スターバックスコーヒー(以下スタバ略)」2000/07/31(Mon)
 ドトールコーヒー(以下ドトール略)などのセルフサービス系喫茶店が同社である。ここでは、ドトールがコーヒー一杯180円なのに対し、スタバでは250円で販売している。それにもかかわらず業績は好調らしい。某新聞によると関係者は「一杯250円でもコーヒーが売れる証明になった」というが、ドトールとスタバでは客層が違う。ドトールは、客席が多くて狭く、薄利多売で値段を抑えるいわばマクドナルド的販売形式。それに対し、スタバはそれほど座席も多くなく、食にもこだわりを感じられる高級感がある。いわばモスバーガー的販売形式なのである。その他ユニークなのがスタバではコーヒーの風味を楽しんでもらう為と全店禁煙。また、自分のマグカップを持参してそれにコーヒーなどを入れると30円引きなどエコにも配慮した販売形式。これらは、実際販売に役に立っているかは定かでない。例えば、私は同店に行くが、マグを持参した客はまだ見ない。しかし、そういった販売形式をとることで、ドトールなどと差別化を図ることが出来るのである。これからは以外とこれらの店は客の住み分けをするのではなかろうか。

第9回「NTT接続料引き下げ問題」2000/07/14(Fri)
 現在、市内通話を独占するNTT。その市内通話で新電電(NTT外の電話会社)が払わなければいけない接続料は3分7円。関東地方限定の東京電話(TTNet)が市内通話3分9円の通話料を設定しているので、9円−7円=2円がTTNetの取り分となる。これではほとんど利益は出ない。ではTTNetの参入の真の目的は何かというと、市内通話を通じた顧客獲得による長距離電話料金の確保である。市内通話が得であれば当然同社の電話に加入し、ついでに同社の長距離電話の料金が安ければ併せて長距離電話を使用するというシステムである。
 しかし現在、米国からの圧力によりNTTの接続料引き下げが求められている。それに乗じて日本テレコムが市内電話3分8円の料金を検討しているそうだ。これは、NTT接続料引き下げが米国圧力により不可避となり、市内電話の採算にメドがついたからだ。TTNetは関東地区に限定されていたが、日本テレコムの市内電話参入により、本格的に市内電話競争が始まると言える。今後、マイライン(接続先電話会社を選べるシステム)が導入されるなどますます目が離せない電話業界。消費者(利用者)が賢くならないと損する時代が本格的に到来する。

8回「そごうへの債権放棄」2000/07/03(Mon)
 金融機関でもないのに、、結局税金投入となった預金保険機構のそごう債権の放棄。倒産すると雇用などの不安が広がり社会不安が広がると説明するが、それならなぜ長崎屋には行わなかったのか?そごうは、某新聞社を中心とする読○系の企業である。そごうはさておき、グループの中心の○売新聞などは業績高調だし、某野球チームも補強にバンバンお金を使っている。東急系の企業であるJAS(日本エアシステム)は業績不良だが、東急グループ全体で赤字をカバーしている。にもかかわらず読○系はグループで支えようとしないのだ。そうなると、○売系の社長・渡辺さんが橋本首相(当時)を支える会などの中心メンバーで自民党の有力な後援者であるからではないか、というイジワルな見方もできる。困ったものだ・・・。

第7回「消費税」2000/06/23(Fri)
 97年4月から5%になった消費税。一時、「国民福祉税」による税率7%騒動があったり、消費不況を招き景気回復を妨げた等さまざまな問題点が指摘されている。なかでも一番問題点は、消費税など間接税がもつ、逆進性である。本来税制度は、所得を本質的平等に再分配する役割をもつが、間接税では、名目的平等が原則の為、所得の低い人達の負担が過大となるのである。消費税には、生活の根本をなす、賃貸料(家賃)に消費税をかけると、国民生活に重大な影響を及ぼすとして、家賃には非課税となっている。しかし、その他の人間が生きる為の「衣食住」のなかの「衣食」は消費税が課税されているのである。しっかりした国では、食料品・衣料品の消費税は一般の消費税より低い税率が設定されているなどしているので、日本も早くそういった制度を作って欲しいと思う。

第6回「NY株価大暴落」2000/04/18(Tue)
 NY株、大暴落による世界同時株安は、日本経済の景気を減速させるのか?というのが話題になっている。蔵相や証券会社の人達は、日本の経済は強いので、現在の状態は一時的な停滞(価格調整)だという。ただ、その見方はあまり経済を理解しているとはいえない。日本という国はもともと民需が弱い。米国を始めとする輸出が景気をひっぱっていた感が強い。つまり、「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」という状況だ。その流れでいけば、現在の状況は非常に危うい状況であるが、ある意味では、良い時期に米株大暴落が起こったとの見方も出来る。例えば、98年の秋頃にこのような大暴落がおこったとしたらどうであろうか。当時の日本は、不況がかなり深刻で、輸出がかろうじて、日本の景気を支えていた。そんな時に、NY大暴落が起こっていたら・・・考えるだけでぞっとする・・。

第5回「ファミレス経営」2000/03/05(Sun)
 ファミレスの一品あたりの値段が最近上がっている気がする。とくに今まで安いと言うイメージがあったすかい○ーく系のガ○ト。最近のファミレスは客単価を上げることに躍起になっているみたいだが、安易に値段を上げるのはどうかと思う。駅前立地、ロードサイド立地で客の入りの良いところなら問題がないかもしれないが、全国に広がっているファミレスは必ずしもそういったところにあるわけではない。そういったところで値段を上げれば中食産業の拡大もあってますます売上は減るであろう。そこで、義綱からファミレスに提案。@メニューを少なくして、(食材の)在庫を減らしコスト削減を図る。A安い一品料理を多する、魅力的なデザートを考案などによる客単価の増加を図る。などをしてみては多少変わるのではないか?

第4回「マネーゲームの肥大化」1999/12/16(Thu)
 ここで言う、マネーゲームとは株などの金融商品のことである。現在アメリカは好景気で、年金ファンドなどが登場し、より投機的要素が強まってきている。そして、アメリカの経済学者は社会のすべては金融化で解決できるとしている。しかし、それで良いのであろうか。マネーゲームは勝っているうちは良いが負けているくるとどうなるであろうか。アメリカは現在、好景気だからマネーゲームで勝者が多い状況となっているが、日本のように一旦景気が落ち始めたら、損をする人が多くなる。そうなると、一気に消費が冷え込むのではないか。つまりマネーゲームは好景気時には過度に膨張し、不況時には過度に収縮するのである。それは、日本のバブル不況。アジア金融危機などに代表される。まさに経済が世界的規模でギャンブル化しているのだ。このような時代で本当に良いのであろうか。

第3回「アメリカの好景気」1999/11/18(Thu)
 今日は日本と違って景気のいいアメリカの経済のことをお話したいと思います。
 1980年代は日本がバブル絶頂期の頃であり、その頃アメリカは双子の赤字などを抱え、不況の真っ只中であった。その頃に主流になっていた経済学者の言葉は「アメリカは日本に学べ!」ということであった。しかし、90年代に入り、日本のバブル景気が終わり平成不況になるとともに、アメリカの景気は過熱し始めたのだ。(1990年代を振り返ってみると、アメリカ経済の一人勝ちであったといえる。)そうなると、世の経済学者はそれまでの持論を捨て「日本はアメリカに学べ!」といった議論が言われるようになった。それに呼応してか、「日本版ビッグバン」「終身雇用の見直し」など規制緩和を主とする政策が取られてきた。しかし、アメリカの状況をもっと良く考えてみるとどうであろうか?アメリカは全体としては好景気であるが、企業の合理化・合併・リストラのため「雇用無き景気回復」がなされ、貧富の差がますます拡大している。そういった状況を無視してアメリカの景気回復策をそのまま日本にあてはめて良いのだろうか?介護保険にしろ、終身雇用にしろ日本にあった見直し論を考えるべきで、外国のものをそのまま当てはめてもうまく行くはずがない。日本は従来、外国から取りいれたものを独自に工夫して日本に合うようにして使っていたがそういった工夫はどこにいったのだろうか?

第2回 「NIESとは?」1999/11/15(Mon)
 大学新卒の内定率が6割強という驚くべき数字がでましたね。本当にいつが底なのかと思います。今日は、97年に起こったアジア経済危機から早くも回復したアジアNIESのお話でもしようかと思います。
 皆さんはNIESってなんのことだか知っていますか?NIESとは「Newly Industrializing EconomieS」の略のことで日本語では、「新興工業経済地域」と言います。これは、一般の社会の教科書にも出てくるもので、その地域として「韓国・台湾・香港・シンガポール」が挙げられています。しかし、本当はNIESはこれら4つの国だけではないのです。これらの4つは一般的には「アジアNIES」と呼ばれ、他にもNIESとしては、ブラジルや東欧諸国(旧ユーゴはNIESだった)などにも見られます。しかし、それらのNIESのなかでも特にアジアNIESの発展が著しく、アジアNIESだけが脚光を浴びているのです。
 ところで、アジア地域では、「ASEAN」(東南アジア諸国連合)という組織がありますが、NIESとASEANの違いとはなんなのかわかりますか?NIESとは上記のように、新興工業経済という状態を指すもので、ASEANとは違ってそれ自体まとまりを持つものではありません。つまり、ある国が「私の国はNIESだ!」と言っているわけではないのです。これでだいたいNIESというものがわかっていただけたでしょうか?ただ単に教科書に書いてあるようにNIESと呼ばれる4つの国を暗記しても、試験では役に立つかもしれませんが、一般常識としてはなにも役に立たないですよ。
☆参考資料:平川均『NIES 世界システムと開発』1992年

第1回「日本の景気を考える」1999/10/09(Sat)
 少し前の話ですが9月の日銀短観で3期連続・景況感改善しましたね。ですから、今日は私の専攻分野でもある経済について「たまに思ってみよう」と思います。
 今年に入って株価も上昇し、住宅も売れてだいぶ景気回復が叫ばれるようになった。しかし、依然として雇用情勢は厳しいようである。それは、雇用というものが遅行指数であるからである。つまり、雇用が創出される背景には企業の利益が上がってなければならないのである。それゆえ、景気回復と同時に雇用改善とはいかないのである。その点で、現状は景気は回復期にあるのだろうといえるだろう。しかし、この景気回復は本当のものであろうか?という疑問が沸いてくる。というのも1997年4月までの日本経済は2年連続して成長率が上昇したにも関わらず、夏頃から平成不況最悪の状態に突入したのである。この状況は、経済が回復軌道に乗っていたが、本格的な設備投資や、雇用改善に到らなかった段階での減税打ち切り、消費税アップと日本の景気回復の期待による為替市場の円高の動きに押されて再び景気が後退したのである。つまり、今の段階は少なくとも、不況の底は打ち景気は回復状態に向かっているといえるのである。しかし、実際に私たち、一般市民が景気の回復感を感じさせるようになるのは、雇用改善、給与上昇が始まる、もっとあとの段階にならないとわからないのであるから、いまだに「不況・不況」と騒ぐのは当然のことであるのだ。しかし、経済がこのまま軌道に乗って回復したとしても、私の就職活動は厳しくなりそうである・・・・


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